人はなぜ炎上するのか、させるのか
目次
5. SNSが不満を発散する都合の良い道具になってしまっている
炎上はSNSが始まってからの産物です。SNSが一般的になる前は炎上という概念は存在しなかったと言って良いでしょう。
SNSがなかった時代、今の時代であれば炎上するようなことがあったとして、その時代は炎上とは言わず、一部の人が何かを言っているくらいにしかなっていなかったのではないでしょうか。
そしてその一部の人が騒いでいる場所はインターネット上ではなく、せいぜい新聞に投書する方法です。ただ、新聞に投書したとしても取り上げられる確率は極めて低いので、多くの人の知るところにはなりませんでした。
世の中には意図的に炎上させる人、意図しないのに炎上してしまう人がいます。
意図的に炎上させる人は、何をどうすれば炎上するのかがわかっています。意図しないのに炎上してしまう人はそこが何なのかがわかっていません。
ではどうすれば炎上させることができるのでしょうか。答えはとても簡単です。
炎上しやすいトピックを選び、そのことについて多くの人が何となく共通して持っている考え方とは逆のことを言えばいいのです。
例えば、いじめについてです。いじめはいじめている側が悪いのは決まっているのですが、そこで敢えていじめられている側にも問題があるといったことを言うことです。
いじめている側に問題があることは日を見るより明らかなので、多くの人は何を言っているんだと怒ります。これでまず1つ目の炎が燃え上がります。
そこに今度は燃料を投下という言い方もされますが、一定数の人が思ってはいるが、表立って言えないことを言うとさらに炎上します。
いじめられている本人や関係者からすればたまったものではありませんが、一定数の人はこの意見にも同調します。すると、いじめる側が悪い派、いじめられる側にも非がある派の間で言い合いが成立し、炎上となるのです。
4. 炎上の根底には「自分の正義」が潜んでいる
なぜ多くの人が思っていることと逆のことを言うことが、一定数の人は思っているが表立って言えないことを言うことが炎上につながるのでしょうか。
炎上には必ず「正義」がつきまといます。炎上させる側にも炎上させられる側にも「正義」があります。
この場合、どちらの正義の方が正しいはありません。言ってしまえば、どちらの正義も正しいのです。少なくともその正義を信じている人にとっては。
炎上は何かを叩くことですが、正義ほど都合のよい棍棒はありません。正義の名の下であれば誰でもかれでも殴ることができると思われているのです。なぜならば、正義は正しいからです。
殴っている本人も正しいことをしているのだからという気持ちがあるので、むしろ相手のためになっているとさえ思っています。
どんなに極端な意見であったとしても、SNSではいいねがもらえるので、自分の正しさを実感することができます。自分が正しいと実感できれば、さらに相手を叩く自信にもなります。
今、世の中にはぶつけようのない不満を抱えた人たちが沢山います。そうした人たちにとって、正義は自分の不満を発散するための都合の良い道具なのです。
自分の方が正しい、相手の間違いを正して何が悪いと思っている人がいる限り、炎上はなくならないでしょう。
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この記事を書いた人(記事執筆者)
安藤 俊介(あんどう しゅんすけ)
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 ファウンダー
新潟産業大学客員教授
アンガーマネジメントの日本の第一人者。アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入し、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。
アメリカに本部のあるナショナルアンガーマネジメント協会では15 名しか選ばれていない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアジア人としてただ一人選ばれている。
主な著書に『アンガーマネジメント入門』(朝日新聞出版)、『アンガーマネジメントを始めよう』(大和書房)等がある。著作はアメリカ、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナムでも翻訳され累計 80万部を超える。
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人はなぜ炎上してしまうのか、人はなぜ炎上させてしまうのかについて解説