【社会人の学びを考える】

まちづくりから人づくりへ 30代の学びから 拓く新たな夢

社会人として活躍しながら、通信制大学で学ぶ人が増えています。

今回は、建築業界でキャリアを積み、現在は街づくりの会社で活躍しながら、通信制大学で学ぶ九谷さん。コロナ禍での転職、育児との両立など、様々な環境の変化を経験しながら、新たな夢の実現に向けて挑戦を続ける姿をお話しいただきました。




目次

1.通信制大学入学までの歩み


Q1:現在のお仕事について教えてください。

まちづくりの会社に勤務しています。ホテルやシェアハウス、シェアオフィス、学生寮など様々な施設を企画から運営まで行っております。ハードな面(建築)だけでなく、周辺地域の方々を巻き込んで活性化を図る取り組みをしています。近年「共創」や「オープンイノベーション」という言葉が注目されるようになり、大手企業と協業につながる場所(共創施設)が増えております。当社でも、同様の共創施設の企画に関わり、同施設の運営まで行っております。私はその共創施設のコミュニケーターとして、主に会員主催イベントの窓口を担当しており、ビジネスマッチングの「人と人」だけでなく、「人とイベント」をつなぐことに注力しております。



Q2:通信制大学 managaraに入学しようと思ったきっかけは?

managara大学が開校する前年に当たる2020年、当時は外資系の建築会社に勤めておりました。私は大阪が出身だったこともあり、同建築会社へ入社した2015年、「5年後に開催される世界的な祭典まで東京でチャレンジする。そして大阪へ戻る」と決めていました。


当時(2020年)は、会社の業績が良かったため、タイミングよく大阪支店の立ち上げ責任者として赴任する話が進んでいました。通常、外資系企業ではMBAや経営マネジメントができる人材がトップに立つのが一般的です。私はデザインの専門学校出身であるため、経営について体系的に学んできませんでした。支店責任者と言えど、他国のマネージャークラスの方々と相対するにあたって、経営について理解しておく必要があると感じておりました。また、その時期に部下の解雇という出来事があったんです。理由は様々あったのだと思うのですが、当時は経営者(社長)の判断に理解ができませんでした。それらが重なったこともあって、支店責任者として経営を学ぶだけでなく、「経営者の判断を理解(なぜ解雇に至ったのか)するには、経営者の立場(視点)を理解する必要がある」と本格的に経営学について考えるようになりました。


そんな時、とある雑誌で managara の特集を見つけました。完全オンラインの大学という形態に興味を持ち、説明会に参加。経営を学べる環境と、比較的手頃な学費も決め手となりました。

※参考:ネットの大学 managara

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Q3:入学を決める際に迷いはありましたか?

最も大きな課題は家族の理解でした。2020年に息子が生まれ、育児が大変な時期と重なったんです。妻は最初「無理でしょう」と反対されましたが、将来のキャリアのために経営の勉強が必要だということを何度も説明し、理解を得ることができました。本当に妻の理解がなければ、始められなかったと思います。今でも感謝をしています。



2.学習方法や、仕事との両立

Q4:具体的な学習スケジュールを教えてください。

日中は仕事があるので、前後の時間や週末を活用して学習しています。週末は土日のどちらかを完全に勉強に充て、もう片方は家族との時間に当てるようにバランスを取っています。


当初は4年での卒業を目指していましたが、仕事との両立を考えると現実的ではないと気づき、最大8年間在籍できるというmanagaraの制度を利用し、今は無理のないペースで進めていくことにしています。



Q5:オンライン授業での工夫はありますか?

先生方の授業は単なるスライドの説明ではなく、あくまでもスライドは参考程度、講義が深い内容を含んでいるので、きちんとメモを取りながら学ぶようにしています。


通勤中や帰宅時に動画を見ることもできるのですが、私の場合、それだけでは内容が十分に入ってこないんです。結局もう一度見直すことになるので、スライドをダウンロードをしてメモを取りながら、しっかり理解を深める時間を別途設けています。


ただし、全126単位の履修科目全てに同じように時間をかけるのは現実的ではないので、メリハリをつけることも大切だと感じています。



3.通信制大学生活での出来事

Q6:印象に残っている授業はありますか?

特に「問題解決法」と「地域活動と社会貢献」という二つの授業が印象深いです。当時は、建築業界一筋だった私にとって、社会の仕組みや人の行動原理について学ぶ機会となりました。


例えば、バイアスの概念や共感モデルなど、基礎的な理論を学ぶことで、人々の思考や行動をより深く理解できるようになりました。また、「地域活動と社会貢献」の授業では、消滅可能性都市という言葉を知り、地方都市が抱える課題やその解決方法について考える機会を得ました。この授業が、現在のまちづくりの仕事に興味を持つきっかけとなったんです。




4.まちづくりへの想いと将来展望

Q7:まちづくりの魅力について教えてください。

先に述べた印象に残っている「地域活動と社会貢献」の講義の中で、妻の地元である三重県熊野市が消滅可能性都市に指定されていることを知りました。世界遺産がある素晴らしい街なのに、その事実に衝撃を受けました。


まちづくりの魅力は、地域の人々が「普通」だと思っていることの中にある魅力を再発見し、発信し続けること、そして地域の人たちで持続可能にしていくことです。特に私は「まちおこし」、つまり地域に住む人々の意識を変えていくことが大事だと考えております。


現在は、まずできることからと、建築業界の職人である大工の担い手不足という課題に取り組もうとしています。日本には素晴らしい職人の技術がたくさんあります。しかし、当たり前と思っていたことが、実は職人が担っていて、それが失われようとしています。誰かが課題として提起し、自分ごととして取り組んでいく必要があります。どのようにして次世代に伝えればいいのか、地域の家づくりを継続して支える仕組みをどう作るといいのか、それらをつなぐことで地域活性へと広がっていくと信じています。



Q8:具体的にどのような取り組みを考えていますか?

5年後を目途に職人育成の学校を作ることを目指しています。その準備として、まずは危機感を感じている人々のネットワークづくりから始めています。


他にも、木材の伐採から家づくりまでを一貫して体験できるワークショップの企画や、林業と建築業をつなぐ循環型の地域づくりなど、様々なアプローチを考えています。


先日、私が住んでいる奈良県生駒市で行われたビジネススクールにて成果発表会があり、プラン編(起業・創業者向け)で優秀賞をいただくことができました。賞をいただけたことで、在りたい世界は決して間違っていないんだと手応えを感じています。一朝一夕には実現できない目標ですが、一歩ずつ進めていきたいと考えています。



5.学びを通じて得られたこと

Q9:学びを通じて得られた気づきはありますか?

これまで特定の分野に身を置いていたこともあり、社会の構造をいかに理解していなかったかということに衝撃を受けました。外で話をしていると、多くの人が当たり前のように知っている世界があることに気づき、自分の視野の狭さを実感しました。


妻からも「大学に行って変わったね」と言われます。(笑)同じ業界の中だけで過ごしていた時には気づかなかった、様々な考え方や他者理解の重要性を学べたことは、大きな収穫でした。これは社会人だからこそ感じることかもしれません。



Q10:現在の仕事に学びはどのように活かされていますか?

共創施設で働いているからこそ、学び続けることの重要性を実感しています。業界や業種を超えた様々な方々と接する中で、最新のビジネストレンドや多様な視点を理解する必要があります。


また、年を重ねると立場も変わっていきます。若い世代から学ぶことも多く、常に学ぶ姿勢を持ち続けることの大切さを実感しています。managaraの同期には年上の方も多く、その方々の学び続ける姿勢に触れることで、私自身も大きな刺激を受けています。




6.最後に

Q11:九谷さんにとって「学び」とは何ですか?

学び続けることは、自分の成長に直接つながっていくものだと考えています。特に社会人になってからの学びは、実践と理論を結びつけることができ、より深い理解が得られます。


また、学ぶことで視野が広がり、新しい可能性が見えてくることも実感しています。managaraでの学びがきっかけとなって、現在のまちづくりの仕事に出会えたように、学びは新しい道を切り開くツールにもなると感じています。



Q12:これから学ぼうと考えている社会人へのメッセージをお願いします。

完璧を求めすぎないことが大切だと思います。私も当初は全ての科目を深く理解しようと考えていましたが、それは現実的ではありませんでした。


仕事との両立は確かに大変ですが、家族の理解と支援があれば可能です。(感謝を忘れずに!)また、学ぶ過程で得られる気づきや成長は、仕事や人生に必ず活きてきます。ぜひ、一歩を踏み出してみてください。



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▼Profile

九谷一彰

デザイン専門学校で、空間デザインと出会ったことから建築の道へ進む。内装施工会社を経て、2年ほど海外へ留学。帰国後、外資系内装設計施工会社に入社し、主に海外メーカーの日本出店のプロジェクトマネージャーとして従事。その後、まちづくりに関わりたいと、UDS株式会社に入社。現在は、共創施設のコミュニケーターとして、年間約200件の会員イベントの相談窓口を担当。ビジネスマッチングだけでなく、人の行動変容や課題解決のヒントへつなげたいという思いから、イベントと人をつなぐことに注力をしている。ネットの大学managara一期生として入学。将来は建築の職人育成の学校設立を掲げている。一児の父。



▼好きなお酒・おつまみ

お酒:スコッチウイスキー(大阪・道頓堀のとあるバーで出会い、魅了される)

おつまみ:特にこだわりはないが、スコッチにはチョコレートやナッツが合うと感じている



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2025/03/25 17:16

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