より成果を上げていくために必要な組織マネジメント
この記事では、組織として成果を上げていくために、上司や管理職の人たちは何を重視していけばよいのかを理解することができます。
目次
1. 配慮のつもりが周りの迷惑になっているかもしれない
2. 「仕事はできる人」が実は周りに悪影響を与えていないか
3. 「個人プレーで成果をあげる」は時代に即していない
4. 自分にとって、周りの人にとって、長い目で見た時に健康的か
1. 配慮のつもりが周りの迷惑になっているかもしれない
▲個人への配慮が、実は周りの迷惑になっているかも
アンガーマネジメントの研修を受ける中で、とても日本的(と言ったら批判されるかもしれません)で、非常に残念と思うことがあります。
それは特定の個人にアンガーマネジメントを受けさせたいのだが、その人一人に受けさせると角が立つので、部署全員で一旦は全体研修を行って欲しいというものです。
そしてその後にランダムに当たったということにして、その人に対してアンガーマネジメントの個人セッションを実施して欲しいという話になります。
組織としてその人に対して、良く言えば配慮していると言えなくもないのでしょうが、それではあまりにも周りの人に迷惑です。周りからすれば、その人個人の問題について、なぜ周りが付き合わなければいけないのかということになります。
2. 「仕事はできる人」が実は周りに悪影響を与えていないか
▲「仕事はできる人」が、周りに悪影響を与えているかもしれない
なぜそんな回りくどいことをするのかと言えば、大抵の場合、その人が仕事ができる人、組織に必要な人と評価されているからです。
ただし、その人を説明する時に必ず枕詞がつきます。それは「仕事はできるのですが・・・」です。
意味としては、仕事はできるが、周りに対する当たりが強く、周りが萎縮をしてしまっていたり、或いはパワハラ的な言動をしてしまっている、です。
はっきり言えば、その人は仕事ができない人です。ところが日本的な考え方が根付いている組織では、こういうタイプの人を仕事ができる人として捉えています。
百歩譲って仕事ができるという評価を好意的に解釈すれば、業務をこなすことができるでしょう。
ただし、その業務をこなす中で周りの人への悪影響は考えず、自分の業務をこなすことにしか目を向けられていません。
▲個人プレーである程度の成果をあげてくれる人がなぜか重用されている
個人であげられる仕事の成果とチームとしてあげられる仕事の成果には雲泥の差があります。
日本は和を以て貴しとなすの文化があるはずですが、なぜか職場では個人によるスタンドプレーで結果(と思われるもの)を出す人の方が重用されています。
管理する側からすれば、放っておいてもある程度の成果をあげてくれるということで便利な存在だったのでしょう。個人プレーである程度の成果をあげてくれるのであればマネジメントは要らないので、管理者としての仕事が楽になります。
コンプライアンスの重要性が以前よりもはるかに高まり、また従業員の幸福度やモチベーションといった数字に見えにくいものが重要視されている今、自分だけが成果をあげればいいなんて価値観の下で働くことは時代に即していません。
▲組織に属する人たち全員にとって前向きかどうか
アンガーマネジメントにはビッグクエスチョンといって判断の基準となるとても大切な質問があります。
ビッグクエスチョンは「自分にとって、周りの人にとって、長い目で見た時に健康的か?」です。
今の組織マネジメントに必要な視点は、このビッグクエスチョンに沿った意思決定ができるかです。
ビッグクエスチョンに沿った判断は、組織に属す人たち全員にとって前向きなものとなります。そして、自分がこの組織にいることがとても良いことだと実感できれば、自然と生産性は上がります。
常に自分の判断基準となるものを持ちましょう。今回はアンガーマネジメントのビッグクエスチョンを例に挙げましたが、自分なりの真善美の下に意思決定することの重要性がますます高まっています。
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この記事を書いた人(記事執筆者)
安藤 俊介(あんどう しゅんすけ)
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 ファウンダー
新潟産業大学客員教授
アンガーマネジメントの日本の第一人者。アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入し、教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。
アメリカに本部のあるナショナルアンガーマネジメント協会では15 名しか選ばれていない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルにアジア人としてただ一人選ばれている。
主な著書に『アンガーマネジメント入門』(朝日新聞出版)、『アンガーマネジメントを始めよう』(大和書房)等がある。著作はアメリカ、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナムでも翻訳され累計 80万部を超える。
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