資格のプロに聞いてみた「資格取得は新たな自分の発見」
企業のDX戦略においてリスキリングの重要性が高まっている昨今。リスキリングの成果として資格取得を目指す人もいると思います。弊社独自で資格取得に関するアンケート調査を実施したところ、実に8割近い人が資格に興味があるとの結果に。そこで、これまで980個以上の資格を取得してきたAll About資格ガイドの鈴木さんに、まず初めに、資格取得の勉強法やメリットなどを聞いてみました。
この記事では、資格取得に向けた勉強のコツやメリットなどを知ることができます。
目次
1.モチベーション維持の秘訣は自己分析
▲自分にあったモチベーション維持方法を見つける
(アンケート結果)
資格・検定取得をする場合、大変だと思うのはどのような事でしょうか?(複数選択可)
独自のアンケート調査では、資格・検定取得において「モチベーションの維持」に悩んでいる方が70%以上おり、資格や検定にチャレンジしようと思いつつも、モチベーションの維持に苦しんでいる人が多く見受けられる。
ーー「鈴木さんご自身は資格・検定取得の際、どのようにモチベーションを維持していますか?」
(鈴木さん)私は資格取得をライフワークとして楽しんでいますし、勉強というよりもゲームやイベント感覚で取り組んでいるので、モチベーションの維持といったことは普段まったく意識していないというのが正直なところです。というより「モチベーションの上げ方」ばかり意識してしまうと逆に「モチベーションをいちいち上げないと行動できない人」になってしまいますので、やる気の有無にかかわらず勉強を習慣化するということを目指すほうがいいですね。
ーー「資格勉強の継続に苦労している人はどのような事をしたら良いでしょうか?」
(鈴木さん)資格取得だけではなく、これまでの色々な経験から、自分はどんなことなら継続して取り組めるのか、どんな状況・環境なら頑張れるのかを理解することが重要です。それが整理出来たら、その枠組みにうまく自分を落とし込む工夫や仕掛けをつくることで、自ずと勉強の継続や習慣化につながります。例えば、友達を誘って一緒に資格合格を目指してみるとか。それでも行動が起こせない場合は、そもそもその資格取得が自分にとって実はそこまで優先順位が高くないということなのかもしれません。「自分が本当にやりたいこと」や「自分の向き不向き」をあらためて深掘りして考えるきっかけにするのも良いでしょう。自分はどういうタイプの人間で、どんなことに対してなら本気で取り組めるのか、資格勉強はそういう自己分析のツールにもなるわけです。
2.勉強のコツは過去問
▲過去問を解いて傾向を知る
(アンケート結果) 鈴木さんへの質問 「資格取得までのスケジューリングを知りたい」 「おすすめの学習方法、合った学習方法の見つけ方、スケジュールの立て方を知りたい」 ーー「勉強のコツや資格取得に向けた学習方法やスケジュールの立て方を知りたいと思っている方へのアドバイスをいただけますでしょうか?」 (鈴木さん)まずはその資格試験の過去問を見ましょう。過去問を見ると、試験範囲や出題傾向が具体的にわかります。そして現状の自分の知識レベルと合格ラインとのギャップも明確になります。試験勉強というのはこのギャップをいかに埋めるかという作業ですから、最初にここを明確化することではじめて、効果的・効率的な教材選びやスケジュール設定が可能となるのです。
ーー「おすすめしない勉強法などはありますでしょうか?」 (鈴木さん)学生時代の勉強は「教科書をやってから問題を解く」というのが一般的なので、資格試験の勉強もそのやり方で進める人も多いのですが、これはおすすめしないですね。むしろこのやり方は挫折リスクが高いと思います。資格試験のテキストはかなりの文量があるので、「この内容を全部覚えないといけないのか…」となって途中で挫折してしまう人が多いのです。しかし過去問を先にレビューしていると、テキストの中でも重点的にやるべき箇所とそうでもない箇所がわかるので、「選択と集中」を意識した効率的な勉強ができます。
3.資格取得のメリットは新たな自分の発見
独自のアンケート調査で、資格・検定取得したい理由は「スキルアップのため」という回答が圧倒的に多い。
ーー「スキルアップ以外に、資格取得や取得のための勉強をするメリットはどのようなことがありますでしょうか?」
(鈴木さん)これまでの自分が知らなかった新しい世界を知れる、新しい自分の発見に繋がるということが挙げられます。私自身、挑戦する資格・検定を選ぶ際は「今までの人生であまりふれてこなかったジャンル」の資格を積極的に受けるようにしていますが、そういう分野に接してみてこそ想像以上の発見が得られたり、価値観が変わるきっかけになったりして面白いです。また、資格勉強を通じて「自分は意外とこういう分野に興味があるかも・向いているかも」と自分の新たな一面に気づいたりすることもあるでしょう。さらにはこれまでの自分のキャリアや強みと掛け合わせて独自性の高い相乗効果が生まれることもありますし、自分のプロフィールにユニークな彩りを添えることもできます。自分の新しい一面を知り、今後の自分がどのように生きていきたいかを考えるきっかけになることがメリットです。
ーー「鈴木さん、ありがとうございました」
<今回の気づき>
資格・検定取得や取得に向けた勉強をすることで、自分の現在地を知ることでき、新たな発見につながります。興味のある分野や、チャレンジしてみたいカテゴリーの資格や検定を是非受検してみましょう。
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<インタビューに答えてくれた人>
鈴木 秀明(すずき ひであき)
総合情報サイト「All About」資格ガイド。
東京大学理学部卒。東京大学公共政策大学院修了。
米国公認会計士、気象予報士、中小企業診断士、行政書士、証券アナリストなど980個以上の資格を取得。
年間80個以上のペースで資格試験を受け続け、資格の専門家として多方面で活動中。
雑誌・テレビ・ラジオなどのメディア出演実績は500件以上。
著書に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』(ダイヤモンド社)、『小学生にもとれる!資格・検定カタログ 』(小学館)などがある。
資格のプロに聞いてみた「資格取得は新たな自分の発見」
企業のDX戦略においてリスキリングの重要性が高まっている昨今。
リスキリングの成果として資格取得を目指す人もいると思います。
弊社独自で資格取得に関するアンケート調査を実施したところ、
実に8割近い人が資格に興味があるとの結果に。
そこで、これまで980個以上の資格を取得してきたAll About資格ガイドの鈴木さんに、まず初めに、資格取得の勉強法やメリットなどを聞いてみました。