ため息もハラスメント?
不機嫌な気分を人にあらわすような表情やため息、態度で相手を困らせたり、精神的苦痛を与える行為は不機嫌ハラスメント(フキハラ)と言われています。
この記事では、ため息がもたらす影響と適切なため息のつきかたを解説。コミュニケーションスキルに役立つ情報をお届けします。
目次
1.適切な表現ができることが大事
▲場面において、ため息をつく表現が適切かどうか
アンガーマネジメントでは、怒りを感じること、怒ること自体は悪いことでなく、適切な表現ができることが大事だと伝えています。
怒りを感じた時、感情的に怒鳴る、相手を責め立てる、ものに八つ当たりをすることはもちろん、言葉にはしないけれど、イラっとした瞬間に舌打ち、ため息をつくというのも適切ではありません。
2.ため息が怒りの声に聞こえる人もいる
▲ため息で相手が萎縮してしまうケースもある
研修の受講者から受ける相談事の中には
「上司のため息で萎縮してしまう」
「同僚が不機嫌さをアピールするかのようなため息をつくので嫌な気分になる」
という事例もあります。
たとえば、依頼された仕事でミスをした際にお詫びをしたら、上司から「今後は気をつけるように」と言われ、自席に戻ろうとしたその直後に、イラっとした表情で「ハァ〜」と聞こえるようにため息をつかれたらどうでしょう。
言葉にはしていないけれど、
「なんでミスなんかする?ちゃんと見直せばこんなミスなんてしないよね。ほんと、困るんだよね、こういうの」
というような、怒りの声が聞こえてくるようだ、と思う人もいます。
3.ため息は不機嫌ハラスメント(フキハラ)になることも
▲ため息や不機嫌な気分を人にあらわすと不機嫌ハラスメント(フキハラ)になる
パワハラ、セクハラ、マタハラ…など、さまざまなハラスメントがありますが、不機嫌な気分を人にあらわすような表情やため息、態度で相手を困らせたり、精神的苦痛を与える行為は不機嫌ハラスメント(フキハラ)と言われています。
相手に怒りを感じた時、攻撃的な言葉を言うとパワハラになるので言わずにいたら、ついため息が…という方もいますが、これもハラスメントになるので、気をつけましょう。
不機嫌なため息を繰り返されることは、一度怒鳴られることよりも精神的ダメージを受けるという人もいます。
4.ため息が不機嫌の場をつくる可能性
▲一人のため息が周囲を巻き込む不機嫌な場をつくる可能性も
なかには、「私がこんなにイライラするのはあなたのせいだ!」という気持ちから、わざとアピールするかのようにため息をつく人もいます。
そうなるとイライラしていることや不機嫌さは伝わりますが、何があったのか、どうしてほしいのかは伝わらず、ただ相手や周囲を嫌な気持ちにさせ、関わりたくないと思わせることになるでしょう。
また怒りは伝染するという性質があります。情動伝染といいますが、周囲の人がイライラしていると、その影響を受けイライラしてくる…という経験はありませんか。
イラっとした気持ちから発するため息で誰かを嫌な気持ちにさせ、それがさらに伝染していく… という不機嫌な場をつくる可能性もあるということです。
イラっとした時、その怒りをどのように表現する傾向があるのか、ついため息や舌打ちをする癖はないのか、振り返ってみませんか。
5.周りに人がいないところで「フーッ」と吐き出すため息
▲「フーッ」と吐き出すため息で緊張を緩める
ただ、全てのため息がハラスメントになるわけではありません。
日々の疲れや悩みが溜まるとイライラしがちになり、呼吸が浅くなって体が酸素不足になり、お腹や胸の筋肉が緊張して硬くなります。ため息には、そのこわばりを緩め、自律神経を整える効果があると言われています。
嫌なため息と誤解されないよう、全身の力が抜け、緊張が緩むよう「フーッ」と吐き出すのがいいでしょう。周りに人がいないところでついてみるのがいいですね。
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この記事を書いた人(記事執筆者)
戸田 久実(とだ くみ)
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会 代表理事
アンガーマネジメントコンサルタント
大学卒業後、株式会社服部セイコー(現セイコーグループ株式会社)にて営業、音楽系企業にて社長秘書として勤務。研修講師、コンサルタントとして民間企業、官公庁の研修、講演の仕事を歴任。講師歴は32年。登壇数は4,500を超え、指導人数は22万人に及ぶ。
「アンガーマネジメント」「アサーティブコミュニケーション」「インストラクター育成」などをテーマに対象は新入社員から管理職まで幅広い。
パワハラ防止のために適切な指導、叱り方、そして1on1においての効果的なフィードバックができるようになるため、カスハラ対策につながるクレーム対応や心理的安全性実現においても活用したいと、多岐にわたる要望やご相談を受け対応している。
著書は中国、韓国、タイ、台湾でも翻訳出版され、累計25万部を超える。
ため息もハラスメント?
不機嫌な気分を人にあらわすような表情やため息、態度で相手を困らせたり、精神的苦痛を与える行為は不機嫌ハラスメント(フキハラ)と言われています。
この記事では、ため息がもたらす影響と適切なため息のつきかたを解説。コミュニケーションスキルに役立つ情報をお届けします。