コミュニケーション怪獣はどうやって生まれたのか?Vol.2
みなさんは、会社や私生活でコミュニケーションについて悩んだ経験はありますか。
「学びのオツマミ」で独自にアンケートを取ったところ、「コミュニケーションについて悩んだ経験がある」と回答した社会人がほとんどでした。
コミュニケーションに悩みにくい環境を作るために、どのようにしたらよいのか。
悩みながらも、独自の工夫によってコミュニケーション巧者となった方にインタビューいたします。
コミュニケーション怪獣とは
多様な立場や様々な場面で培ってきたコミュニケーション能力を発揮している人物のこと
※「学びのオツマミ」によるオリジナルの定義です
前回のお話
■「自分の過ごす環境をいかに心地よくするか」がコミュニケーションの基本
■「なぜその人は質問をしてきたのか」などの背景を読み取ることが重要
前回のお話のなかで、コミュニケーションをするにあたって「前提として相手は自分が話した言葉の8割ぐらいは聞いていないと思っています。では、相手が僕をどう評価するかというと、話の内容よりも話し方や仕草であることが多い。ですから、僕は相手と同じ呼吸をするように意識しています。」と答えた怪獣1号さん。
今回は、その呼吸や仕草について深掘りをしていきます。
今回のPoint
■初対面の相手には意識的に「呼吸」「仕草」を合わせる
■組織に所属するということは、良好な人間関係を築くということ
「呼吸」「仕草」を意識するってどういうこと?
これにはテクニックが必要です。
たとえば、あなたが初めて商談をするお客様だとします。
私は、会話をするときにお客様であるあなたの呼吸に合わせることを意識します。
いま、「ハハッ」と笑ったと同時に息継ぎをしましたよね?
そのときにあなたが呼吸をしたのがわかったので、徐々に呼吸を合わせます。
ーなるほど(メモメモ)
いま、メモをするタイミングで目をそらしましたよね。
たとえば、相手と目が合ってからそらすまでの時間が3秒くらいだとしたら、自分も次に相手と目があったら3秒で目をそらすようにします。
このように、初めて会ったお客さんには内容よりも、まずは呼吸や動作を合わせることをものすごく大切にしています。
ただ、これは会社の仲間にはそこまでしていません。基本的には初めて会う商談相手にすることが多いですね。
ーそういった仕草は、ご自身で学んだのですか?
はい。まずは心理学、そして行動心理学、あとは著名人のYoutubeです。(笑)
ここまで仕草等を意識するようになったのは、冒頭でお伝えしたように自分が過ごす環境の居心地をよくすることや、相手との関係を築くことにメリットを感じているからです。
ー怪獣1号さんは元々大手企業で営業やマーケティング、最終的には社長室で勤務していた経験もあるとのことですが、そういった経験から身に付いたのでしょうか。
経験というよりも、コミュニケーションや仕草について学ぶきっかけになった出来事があったからですね。
前に勤めていた会社には20代で入社をしたので、社長室に配属されたときには同じ年代は自分しかいなかったんです。
だから、周囲からの期待やプレッシャーを感じていました。社長が言っていることは絶対にこの期間でやりきらないといけない。だから、人の感情などを気にせず精一杯働いてきました。あとから振り返ると、仕事のやり方としてはある意味で失敗したな、と思っています。
組織に所属するということは、良好な人間関係を築くということ
元々、私は初対面の方と話すのは苦手、というか面倒くさいと感じていました。
たとえば「社長がやってくれと言っているから、やってください」と言ったり、正論や理詰めで仕事を進めてもらったりするような方法を取っていました。それでもある程度のところまで人は動かせますが、結局は途中でうまくいかなくなります。
それが短期的な仕事の付き合いならまだよいのですが、組織に所属するということは、その先もお互い長く一緒に仕事をしていくということです。
20代半ばまではそのことに気づけませんでしたが、長く仕事をするには、良好な人間関係が大切だということに気づくきっかけがありました。
26~27歳くらいのときに、ある人が「組織は感情をどうやって統治するかだ」と言っていたのが面白いと感じました。だから、「人の心をどうやって掴めるか」「人の心って何で動くんだろう」「良い人だよね、感じ悪くないよね、というのと、あの人なんか感じ悪いよね。と思われる人との差は一体何だろう」なんてことを考えるようになったのが、意識の変化の始まりです。
その頃から心理学や、行動心理学を学ぶようになりました。
正論だけで仕事をすると、長期的には続かない。
それであれば、最初から相手の価値観を知るようにしてみたり、相手の話を否定しないようにしたり、仕事での話し方も変えてみたり……。
長期的に相手と関係を築くにはどうすればよいかを考えるようになりました。
ーある人の言葉をきっかけに、仕事での人との付き合い方についてたくさん考えて、意識や行動を変化されたのですね。
怪獣1号さんは一時期は海外で過ごしていたとお聞きしていたので、海外生活がきっかけかと思っていました。
きっかけとなったタイミングは海外へ行く前でしたが、それから間もなく海外へ行ったので、より変化が加速した感じはします(笑)
怪獣1号さんの変わる前というのは、どのような感じだったか覚えていますか?
一社目に勤めていた頃の友人たちには「すげぇ付き合いづらかった」と言われたことがあります(笑)。その頃の僕は「わがままで、気分屋で、自分のことしか考えていなかった」ようです。
(笑)その変化にはご友人もびっくりですね。
そのときのようにならないために、今でも気をつけていらっしゃるのでしょうか?
そうですね。そうならないように日々注意し続けています。
生まれたときからコミュニケーションが上手な人もいますが、僕はそうではないので、日々意識をし続けています。
かっこうつけた言い方になりますが、自分の性格は“意識することである程度コントロールできる”と思っています。
すばらしい考え方ですね。
もしよろしければ、上司部下の関係で意識していることもおうかがいしたいのですが。
言葉づかいなど、コミュニケーションの細かいところを相手によって変えることはありますが、基本的なスタンスは誰に対しても同じです。
上司、部下というくくりでコミュニケーションの質を変えるということはしていません。
次回、怪獣1号 Vol.3 最終回!
上司と部下という関係では、どのようなコミュニケーションを意識しているのか深掘りしていきます。
<Profile>
仮名:コミュニケーション怪獣1号
1980年生まれ。某大手レコード会社、サービス業にて新規事業を担当し、数多くの新規事業を創出。20名の組織の責任者も経験。2024年1月に株式会社SRJに入社。入社後わずか2日でメンバーと打ち解け、2か月経過後は従来より所属するメンバーと遜色ないほど、むしろメンバーの誰よりも組織に馴染んでいるコミュニケーションの怪獣。座右の銘は「彼を知り己を知れば百戦危うからず」というだけあって、相手も自分自身もよく観察している達人。
好きなおつまみ:さきいか
学びとは何か :終わりのない探求
コミュニケーション怪獣はどうやってうまれたのか Vol.2
コミュニケーションに悩みにくい環境を作るために、どのようにしたらよいのか。
悩みながらも、独自の工夫によってコミュニケーション巧者となった方にインタビューいたします。